徹底解説!じげんのエクイティファイナンス(後編)

こんにちは。じげん経営戦略部長の寺田です。

後編では、約100億円の株式調達(エクイティファイナンス)、「株価・トリプル25」達成条件型新株予約権の詳細について記します。
説明資料はIRサイトに掲載されております。

前編にて触れた、資金調達と成長投資のタイムラグ、及び資金使途の整合性といった課題に対処するため、本件にはいくつか新しい取り組みを盛り込みました。

まず、利益増を伴わないエクイティファイナンスによって「トリプル25」の1つであるROEが前会計年度において25%未満(ただし小数点以下四捨五入)となれば、新株予約権の更なる行使は、再度「トリプル25」を達成するまで実施されず、ROEの低下に対して一定の抑制効果を持たせることができます。

また、新株予約権を3回号(第4、5、6回)に分け、3通りの当初行使価額を設定しています。
第4回新株予約権の当初行使価額を発行決議日(7月5日)の終値と同値、下限行使価額を終値の90%とし、初回号の資金調達の蓋然性を高めています。実際に、初回号については現時点で既に91.7%の行使と12億円強の払込が完了しています。これを活用した成長投資(主にM&A及び資本業務提携投資)の実行によって、企業価値の向上を目指します。
また、「トリプル25」を達成し、かつ株価が上昇してはじめて、第5回及び第6回新株予約権の行使が可能となることで、既存株主価値の希薄化を最小限とすることを狙う設計となっております。
「トリプル25」の条件を満たしていても、株価が下限行使価額を上回らなければ、希薄化を伴う新株発行はなされません。

なお、第5回、第6回は当初行使価額=下限行使価額で、それぞれ1,400円(発行決議日終値比+15%)と3,420円(同+181%)に設定しています。
1,400円、3,420円というのはそれぞれ、発行決議日である7月5日までの直近1ヶ月の平均株価約1,100円に+27%、+211%のプレミアムを乗せた水準ですが、+27%は2017年3月期計画の前年比営業増益率、+211%は中期経営計画Protstarで掲げた最終年度の営業利益50億円の2016年3月期実績比、を基準としています。

更に、新株予約権の発行や行使に伴う払込金額は、専用の信託口座に振り込まれる契約となっており、当社がM&Aや資本業務提携投資についての公表を行わない限り、原則として本信託の終了前に財産の払戻し(口座からの資金の引き出し)はできません。これにより、当初公表以外の使途への資金の転用を制限することが可能となります。
以上の制約により、資金調達の蓋然性は、公募増資などの手法に比べて限定的となろうかと思います。

ただし、じげんが主要な資金使途として想定するM&Aは、一般的な事業投資と比べて、投資後早期に業績貢献が見込まれる傾向にあります。ROEを含む財務指標が「トリプル25」を下回るのであれば、利益拡大を伴うM&A、資本業務提携投資等の成長投資が実現できていない可能性が高く、財務基盤強化のための資金需要は限定的なため、資金調達の必要性も低い、と考えられます。

本件におけるこれらの設計は、やみくもな財務基盤強化ではなく、成長投資に限定した厳格な、かつ、企業規模の拡大に伴う段階的な資金調達を行う、とのじげんの方針を反映させたものです。
なお、本件の発行株式数は固定されているため、当初の予測を超えて希薄化が促進されることはありません。逆に、株価が上昇すれば資金調達額も増加します。
また、将来的に本件以外の条件での資金調達方法を選択する場合などには、いつでも残存する本新株予約権をじげんが取得することが可能です。取得の対価は発行価額と同額で、解約料その他の追加的な費用は一切掛かりません。

さて、経営戦略部では、資金調達や財務戦略、中計策定の統括だけではなく、M&Aの戦略立案や実務の遂行も担当しています。
次回以降の記事では、じげんがこれまで進めてきたM&Aの実例や今後の投資方針についてもご紹介できればと存じます。

株式会社じげん 寺田