330件のソーシングと100件のDDに取り組むM&A体制とその狙い

こんにちは。じげん経営戦略部長の寺田です。

経営戦略部では、資金調達や財務戦略、中計策定の統括だけではなく、M&Aの戦略立案や実務遂行も担当しています。
本日から数回に分けて、じげんのM&Aに関する考え方についてご紹介したいと思います。

決算説明会資料にもある通り、じげんは2013年11月における東証マザーズへの上場以来、これまでに約330件のソーシング(案件発掘)、約100件のデューデリジェンス(DD: 調査、価値査定)を行い、7件のM&Aを実施してきました。
5月の中計発表や7月の新株予約権発行によって持ち込み件数は増加傾向にあり、直近は四半期に30件前後のペースでソーシングを行っています。
検討案件の規模は株式取得額ベースで1億円未満から100億円超まで大小さまざまで、持ち込み経路も、証券会社や銀行といった金融機関からプライベートエクイティ、ベンチャーキャピタルといったファンド、及びブティック系のM&A仲介会社や事業会社まで、万遍なくお付き合いをさせて頂いています。じげんは求人、不動産、自動車、旅行、エンタメ、とライフイベントに関わる多領域で事業を展開しているため、案件仲介の立場の方からすると間口が広く、持ち込みがしやすいそうです。また、対象企業の株主、経営陣から相対で直接お話を頂くことや、逆に当社側から特定の企業に対して働きかけを行うことも少なくありません。

相当な数をこなしているので、「専任のM&A部隊がいるのでは?」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実際には、M&Aを統括する経営戦略部は新卒を含む5名以下の社員で構成されており、私を含む全員が、財務や経理、経営企画、IRといった他業務との兼任体制となっています。ちなみに、上場企業では一般的なIR室という組織も存在しません。
もちろん、他の重要業務と並行しながらこの少数陣営だけで四半期に30件、多い時には月に10件ものM&A案件を捌くことはできないので、社内の他部署や外部の専門家との連携が肝要となります。

M&Aは、下記のような流れで行われることが一般的です。
(1)ソーシング
(2)事業、組織DD
(3)法務、財務DD
(4)バリュエーション交渉
(5)契約締結
(6)経営統合(PMI: Post Merger Integration)

ソーシングやバリュエーション交渉、契約締結を含む実務回りに関しては、経営戦略部に窓口をほぼ一本化しています。
一方、M&Aの勝敗を左右する最も重要なプロセスといっても過言ではない事業、組織DDや統合期における戦略立案には、事業部の責任者クラスが深く関与し、対象企業の競争力や成長性、費用構造、組織体制等を、経営戦略部とともに精査します。
また、遵法体制や諸契約の有効性を確認する法務DDや、主に資産や負債の再評価を行う財務DDに関しては、法律事務所や会計ファームといった専門家の協力を仰ぎ、経理、法務機能を持つ経営管理部とも連携しながら進めていきます。

ところで、世界的に見て、M&Aによる企業価値の増加効果は必ずしも高くないとの研究結果が多く報告されています。
買い手候補同士の競争によって買収価額が高騰しやすいことや、海外や他業種への新規進出のために土地勘のない分野でシナジーを過大評価してしまうことが、よくある失敗の原因とされています。また、特に大企業においては、M&Aの担当者や担当部署の評価が買収金額と暗に連動しており、事業部側から見た成長戦略が明確でない案件がM&A担当の主導で進んでしまうことも、一因と考えられています。

じげんでは、M&Aそのものが目的化することを防ぐため、経営陣や経営戦略部が強く推す案件であっても、ハンズオンでPMIを担当する事業部が納得し、挙社体制が構築できない限り、基本的にプロセスを進めることはありません。
また、高値掴みを避けるため、複数のバリュエーションマトリクスを用いた投資基準を設定し、今年度より規律的な運用を行っています。
もちろん、M&Aは不確実性の高い戦略オプションであり、過去の当社の実績も全戦全勝とはいきません(ただし、金額の大きい案件については十分なリターンが得られていると自負しています)。
上記の取り組みによってM&Aによる企業価値向上を少しでも構造化し、投資のリターンを最大化させていきたいと考えています。

なお、経営戦略部では積極採用を継続中です。
第4回新株予約権の行使はお陰様で全て完了しており、手元資金及び投資余力は数十億円と、中規模なベンチャーキャピタルの運用資産と同規模に上っています。

・投資銀行、監査法人、コンサル、VC、PEといったプロフェッショナルファーム所属だが、アドバイザーや投資家としてではなく、ど真ん中の当事者、主人公として自ら戦略を推進したい
・大企業のコーポレート部門や投資、企画部門所属だが、ベンチャーならではのスピード、裁量、責任、経営陣との近さ、により魅力を感じる
・特定の領域に強みを持っているが、M&Aやファイナンス、大手企業とのアライアンスといった、上場会社ならではの豊富な戦略オプションを川上から川下まで一気通貫して経験し、専門性の幅を広げたい

これらに当てはまる方、じげんでその手腕を発揮して頂けませんか?
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株式会社じげん 寺田