次は何か?

こんにちは。じげん経営戦略部長の寺田です。

経営戦略部では、資金調達や財務戦略、社内の予実管理、経営企画だけではなく、M&Aの戦略立案や実務遂行も担当しています。なお本日、弁護士ドットコム様が運営するBUSINESS LAWYERSに、先般の資金調達と併せてM&A戦略についても触れた、プルータス・コンサルティング取締役岡田様と寺田との対談が掲載されております。

前回は主に、M&Aを推進する社内体制についてお書きしましたが、今回はじげんが検討対象とする分野やその背景をご紹介します。じげんでは自社が有する経営資源を切り口に、大きく3つの分野でソーシング(案件発掘)を進めています。M&A戦略に関する「次は何か?」という問いのヒントとなれば幸いです。

1つ目は、ユーザーの行動を喚起するノウハウを活用できる対象、具体的には求人や不動産、その他生活関連の媒体事業です。過去の事例では、美容・治療・リラクゼーションといった業種に特化した求人媒体である「リジョブ」がこの切り口に該当します。

2008年にサービスを開始した「転職EX」を皮切りに、じげんはアグリゲーションメディアを多領域にわたって運営してきました。アグリゲーションメディアには複数の提携媒体の求人情報や不動産情報を一括が掲載されており、直近のデータベース数は約700万件と膨大な量に上っています。また、豊富なデータベース、つまりコンテンツが呼び水となり、月間のユニークユーザー数も約1,000万に到達しています。
アグリゲーションメディアでは情報とユーザーがマッチングした際に初めて収益が発生する、成果報酬型の課金体系を採用していますが、インターネット広告市場において一般的なクリック課金ではなく、より確度の高い成果をお客様である提携媒体にお返しするため、応募や問い合わせといった、ユーザーの行動を収益発生の判定基準にしています。
これまでの8年間、膨大なユーザーデータベースと情報データベースをマッチングさせるノウハウ、テクノロジーを磨いてきたことから、既に特定領域(業種、地域等)で顧客基盤を築いているメディア事業全般に対して、じげんが介在して集客力を強化し、成長を促すことができる蓋然性は高いと我々は考えています。

2つ目は、既存事業領域における顧客基盤を活用できる対象、具体的には求人や不動産のASP等のBtoB事業です。
過去の事例では、人材紹介システムを開発販売する「ブレイン・ラボ」や不動産仲介企業向けにウェブマーケティング支援を行う「エリアビジネスマーケティング」(じげんが吸収合併)がこの切り口に該当します。

じげんはアグリゲーションメディアだけではなく「リジョブ」「スモッカ」といった媒体の直接運営も手掛けており、これらのサービスではリアルビジネスを展開する事業者様から掲載課金や成果課金といった形で売上を頂いています。お付き合いのある事業者様に対してメディア以外の付加価値を提供できれば、効率的に収益源を多様化できる可能性があると考えています。

3つ目は、月間約1,000万のユーザー基盤を活用できる対象、具体的には、幅広ですがエンタメ事業や決済・金融事業、CtoC事業等です。過去の事例では、電話占いを営む「エアロノーツ」(じげん子会社のにじげんが吸収合併)がこの切り口に該当します。

現在のじげんはBtoBやBto[BtoC]といった事業が売上高や利益の大半を占めています。メディア事業における重要な経営資源であるユーザー基盤を生かし、BtoC事業へ本格的に進出することで、より広範な収益機会を獲得していきたいと考えています。
にじげんは主に電話占いというニッチな事業を展開していますが、メディア事業とは異なるKPI伸長のためのPDCAを回し、M&Aに伴う展開領域拡充に備える意味でも、ユーザー向け事業全般に横展開できるノウハウを貯めています。

前回も触れましたが、M&Aは数ある経営戦略の中でも非常に不確実性の高い選択肢です。単なる規模の拡大や新規市場への進出を目的とするのではなく、対象企業と自社の経営資源の親和性を見極めながら、焦らず冷静に、しかしここぞという時には決断力、スピード感を持って投資を進めてまいりたいと考えています。

上記の切り口だけではなく、業種や規模に関わらずM&A案件のお持ち込みやご紹介はいつでも絶賛募集中ですので、お気軽にお声掛けいただければ幸いです。

次回以降では、過去にM&Aによってじげんグループ入りした企業や事業が、現在どのような体制で運営されているのか、現場の声も交えながらご紹介いたします。

株式会社じげん 寺田

 

注: 用語について

・アグリゲーションメディア: 複数の企業が提供するサービスやインターネット上の分散している情報を 集積し、1つのサービスとして利用できるようにしたインターネットメディア。

・データベース数: 当社ではクライアントメディアから提供される求人情報や 不動産情報を指す。

・ユニークユーザー数: 一定の期間内にWebサイトに訪問したユーザーの数。 集計期間内であれば、同じWebサイトに同じユーザーが複数回訪問しても、1ユニークユーザーとしてカウント。

・ASP: Application Service Providerの略。アプリケーションソフト等のサービスをネットワーク経由で提供するプロバイダ(サービスや仕組み、事業者全般)のことを指す。

・CtoC: Consumer to Consumerの略。商取引の分類を表す用語の一つで、個人間、とりわけ一般消費者同士の間で行われる商取引を指す。

・KPI: Key Performance Indicatorの略。主要業績評価指標といい、組織や事業、業務の目標の 達成度合いを計る定量的な指標のことを指す。

・PDCA: Plan-Do-Check-Actの略。目標設定、具体的な行動・実行、効果測定・評価、処置・改善を順次行い、、継続的に業務を改善するサイクルを指す。