東証一部市場変更承認のお知らせと市場変更の背景

こんにちは。じげんCFOの寺田です。

本日、東京証券取引所の承認を受け、株式会社じげんは2018年6月27日に東京証券取引所市場第一部へと上場市場を変更することとなりました。社会的な認知度や信用力を高め、さらなる投資家層の拡大や資金調達コストの低下、及びそれに伴う財務・投資戦略の柔軟性確保により、連続的な増収増益を遂げる基盤の一層の確立を目指します。

じげんは2017年5月に公表した決算説明資料にて、修正中期経営計画前半(2019年3月期上期まで)における東証一部上場を目指す旨を発表していました。これまでに上場以来17四半期連続の前年比増収増益、5期連続の利益実績の計画超過を達成してきましたが、また一つ、対外的な発表通りに目標を果たすことができました。

東証マザーズにじげんが上場したのは2013年11月。時価総額や利益額、純資産額、株主数といった市場変更の形式要件を概ね充足していたにも関わらず、4年以上経過してからの東証一部申請、承認となるケースは少数派です。実際、特に最近は簡易審査の制度を活用してIPOから1~2年で本則市場へと進む場合が多く、じげんよりIPOは後でも東証一部指定替えは先という企業も多くあります。

「事業やグループ会社の数が増えてから審査を受けると論点が多くなってしまうようなので、形式要件さえ満たせれば会社が小さく難度が低いうちに指定替えしてしまいたい」、「IPO審査で社内体制を整えたので、現在の人員が揃っているうちに東証一部審査まで一気に済ませてしまいたい」といった声を周りの新興市場経営者から聞くことがあります。またこれらは、証券会社がファイナンスと抱き合わせで市場変更プロジェクトのマンデートを獲得しようとする際によく使うセールストークです。

上記のような考え方は実務的には理に適ったもので、確かにIPOから時間を経ての審査は大変です。しかし、IPOも東証一部への市場変更も、99%の企業にとっては一度限りものです。『行けるときに行ってしまう』のも一つの正解ではあるのでしょうが、法人格の人生で一枚しかないコーポレートアクションのカードをどのタイミングで切るのか、色々な選択肢があっても良いかと思います。

例えば、トップマネジメントやコーポレート系の経営陣が、東証一部への市場変更プロジェクトを形式的な書類仕事とみなすか、外部のリソースやナレッジを活用して企業価値を高める機会と捉えるかで、その意味合いは大きく異なるはずです。

IPOに引き続き、今回の東証一部市場変更の主幹事証券会社は審査が日本で最も厳格と言われる野村證券にお願いしました。審査の過程で証券取引所や主幹事証券会社、監査法人、社外役員とディスカッションを進める中で、自分たちだけでは見えなかった課題を可視化することができました。

特にじげんは上場以来10件のM&Aを実施して連結グループが規模的に拡張し、質的にも複雑化していたため、主にグループ会社を含む管理体制に対して外部の視点で包括的な指摘を頂けたことはガバナンス強化の観点から大きなメリットでした。一般的な上場企業と比べて足りない点、優れている点を客観的に把握し、それに対して経営陣が共通認識を持つことができました。IPO直後の状態でこのような審査を受けていたとしたら、得られる効用はぐっと少なかったのではないかと想像します。

また社内的に、当プロジェクトはファイナンスやIR、M&Aを担当する経営戦略部と経理や法務を管轄する経営管理部が主導しました。前回から4年以上が経過して新しい社員が増えているため、現在両部署に在籍するほぼ全員、東証マザーズのIPOプロジェクトには関与していません。

私を含めて上場関連業務の未経験者が多かったわけですが、膨大な資料請求や質問に対応する中で、財務会計、税務会計、企業法務、資本市場といった専門領域や、何よりもじげんという会社への理解を深めることができました。キャッチアップには時と労を要しましたが、結果的により多くのメンバーが貴重な経験値を得たことで、当プロジェクトは強いコーポレート作りの一端を担うことができたのではないかと思います。

以上、市場変更承認のご報告とあわせて、IPOから東証一部指定替えまでの時間軸についての雑感を記しました。
冒頭にある通り、実際の東証一部への市場変更は6月27日を予定しています。マザーズ上場企業から一部上場企業になることでどのような良し悪しがあったか、もしくはなかったかについては、別の機会にまとめたいと考えています。

宜しくお願い致します。
寺田